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【 ないものねだり 】
高橋 定嗣

人間には「ないものねだり」のくせがある。また、新しいものや珍しいものは大切に扱うが、慣れてくると粗末にしやすい。こういうところから案外不足や不満が生じ、自分から不幸を招くことはないだろうか。
 
 人間には「ないものねあだり」の性質があります。自分が今与えられえいる人や物の値打ち、その有難さが分からないので、別のもの、自分が持っていないものをほしがるのがそうです。
優しい旦那さんを持った奥さんは大抵、「うちの人はやさしいのはいいけれど、おとなし過ぎて、ちょっと頼りないわ、私を叩いてくれるくらいの人の方が、逞ましくていいわ」と言われます。
反対に、乱暴な旦那さんを持ったため、いつも叩かれている奥さんは、涙をこぼしながら、「うちの主人、もう少し優しかったらいけれど、あんな猛獣みたいな人はもう嫌だわ」と怒っています。
ところで優しい旦那さんを持った奥さんが、もし猛獣みたいな男性と結婚して、叩かれるたび「うれしいわ、あなた逞しいのね」と思うでしょうか。
やさしさに慣れると、その有難さ、うれしさに気付かなくなって、強さを味わっている人は、やさしさに憧れるのです。「隣の芝生は青い」とはこのこと。
人間はそういう「ないものねあだり」の癖をみんな持っているということを、自分のこころの中に、きちんと自覚するか、しないかで、人生の歩み方がずいぶん違ってきます。b何かで不足したら、喜べない時に、なぜかとよく考えてみますと、案外自身の心が、現在与えられているものの有難さを忘れていることが多いものです。
人間には新しいもの、珍しいものは大切にするが、慣れて珍しくなると粗末にするところがあります。
自動車を買う。新車の間はペンキがすり減って地金がでてしまうんじゃないかと思うくらい磨きたてるのに、一年も経つともうほったらかし、掃除もろくにせず、埃まみれのまま走っていいる。
車と同じことが、あなたの奥さんや旦那さんに起こっているのではないでしょうか。
もし今あなたの旦那さんや奥さんがおられなかったら、あなたの生活は一体どうなるでしょう。
新しい車を買ったとき、あるいは結婚したとき、きっとあなたは「大事にします」と思われたことでしょう。
これを「元一日」と言います。


【因縁と影はついて回る】

明るいところに物があれば必ずその姿の影ができる
人の心の影は身体や運命に出てくる笑顔はうれしい心の影 
涙は悲しい心の影であるように 
喜びごとの出てくるもの 憂いごとの出てくるもの 皆自分の心の影が見えてくる 
不幸の黒い影につき回わされて おびえ、苦しみ、もがいてもそのままでは、どこへ行っても 影は離れない 因縁と影法
師はついて回る 四角い影が出ていやなら 本体を丸くすれば影も丸くなる 苦しみの影
がいやなら 人をたすけ、人を喜ばせるその心から出てくる影は 安心と喜びという影に
なる

「ステキなウソ」
ある日、電車に乗っていると駅で杖をついたおばあさんが乗ってきました。その日はとても混んでいて、おばあさんはなかなか席に座ることが出来ませんでした。
すると、髪を茶色に染めた若いお兄ちゃんが「おばあさん、オレ、次の駅で降りますから、ここにお坐りください」と声をかけました。おばあさんは何度もお礼を言って、そっと腰を下ろしました。
その後、私はずっとその男性を見ていましたがいつまでも降りる気配はなく、ずいぶん先の駅でやっと下車したのです。
周囲の人たちは小さな声で、皆口々にその若者の立派なウソをほめました。
おばあさんのためについたウソ、なんとステキなウソでしょう。

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