第2回 糖尿病予備軍ってなぁに?

「糖尿病予備軍」とか「境界型」などという言葉を聞いたことがありますか?

 血糖値が正常範囲を越えているが、 糖尿病の診断基準に当てはまるほどには上昇していないグループを指し、 正式には「境界型糖尿病」または「耐糖能障害(IGT)」といいます。

 これは、糖負荷試験によって判定され、 一般的には2型(インスリン非依存型)糖尿病の軽症型と考えられています。

 耐糖能障害のある人は、乱れた生活習慣を続けていると糖尿病に移行することがあります。年間にその5%以上の方が糖尿病に移行するため、「糖尿病予備軍」と言われています。

 食生活の欧米化、運動不足に伴って、糖尿病予備軍も増え続けています。1997年に行われた厚生省の調査では、糖尿病とその予備軍をあわせると全国で1370万人と推計されており、40歳以上の実に7人に1人は血糖値の異常を認めるということになります。

 検診などで「血糖が少し高い」といわれた方、体重が増えてズボンやスカートのサイズが毎年大きくなってきている方、20歳のころと比べて10kg以上体重が増えている方、体を動かす機会がなく運動不足ぎみの方、飲酒量が増えている方は「糖尿病予備軍」である可能性があります。

 糖負荷試験で「正常型」と判定された方の場合、10年後に糖尿病に移行するのは約5%であるのに対し、「境界型」と判定された方の場合は約33%が糖尿病へ移行するというデータもあります。

 耐糖能障害は糖尿病と同じように動脈硬化性疾患による死亡の危険因子になることも示されています。「血糖が少し高いだけ」ではすまされない恐ろしい落とし穴が潜んでいるのです。

 糖尿病予備軍の場合、インスリンの働きを低下させる原因を取り除けば、血糖値を下げ、糖尿病へ移行するのを防いだり、動脈硬化を予防することができます。 まず、体重をこまめに測定し、適正体重を維持するよう食事のコントロールをしましょう。具体的には、食事中の脂肪の摂取量を減らすこと、野菜・海藻類などの食物繊維を多くとること、また、果物や間食のとりずぎに注意して下さい。

 週に3回程度ウォーキング(散歩)などの適度な運動を行うことも非常に効果があります。

 糖尿病を予防するためにはこれらの健康的な生活習慣を継続することが大切です。

国立病院長崎医療センター 木村先生より提供